① フェンスについて
フェンスと聞いて思い浮かべる景色はどんなものでしょうか。家の周りを想像してくださる方がみえたり、公園や運動場の周りを想像される方も見えるかもしれませんね。フェンスはある一定の範囲を囲う役目をします。このフェンスというものは単調な割に距離や種類によって予算が掛かるのでしっかり特徴や選定をしていく必要があります。
・境界や防犯
外構と言われる家の周りの工事では、一般的に敷地境界を区切るということがお隣さんとのもめごとなどを起こさない為にもきちっとすることがほとんどです。昔は、親の敷地に家を建てたり土地を持っているということもありましたが、今は田んぼや畑をやめて宅地に替えて分譲し家を建てるということが増えました。もちろん団地や、集合住宅地などのエリアは当初から区画を整備し販売していましたが。自分が購入した土地を明確化し、その範囲の中でお庭を楽しむことが大切です。基本的にはブロックでまずは敷地を区切り、その上にフェンスを建てます。この際にフェンスの種類によって見栄えも使い勝手や役割が変わってきます。実はこのフェンスにも地域性があり、中部圏など多くは高さが80センチのフェンスが基本となりがちですが、関東圏などでは60センチのも多く施工してる現場があります。フェンスを建てること自体の意味を考えて自分のイメージする条件に当てはめていくとよいでしょう。境界を区切るためのフェンスなのか、防犯を意識した種類だったり高さなのか。
・フェンスの種類
フェンスの種類と一言で言ってもものすごく種類があるので、わかりやすくまとめて行こうと思います。
まずは、素材から。素材には現在出回っている主流は、アルミ製のものがほとんどかと思います。でも、その他にも、スチール、鋳物、アルミ鋳物、樹脂、人工木、人工竹、もちろん天然の木や竹のものもあります。詳しい内容はまたあとからご説明しましょう。
つぎに、高さです。忍び返しのような商品は高さが低く20センチぐらいのものも実際はありますが、これはブロックなどを高く積んだ際に防犯上だったり、猫などが歩けないようにする、そして装飾の為などの意味合いで付けます。他には、規格品として60㎝、80㎝、1m、1.2mが主としてあります。その他にもスクリーンフェンスと呼ばれるような背の高いものもあり、2メートルを超える商品も発売されています。また、多段と呼ばれる80㎝のフェンスなどを積み上げて施工する場合もあり、組み合わせに応じて柱の太さや高さを変えます。
そして、デザインです。境界を区切る程度にお考えであれば、縦格子やメッシュと呼ばれる網目のようなタイプがお値打ちです。少しおしゃれにしたいとお考えであれば、アイアンと呼ばれる鋳物、アルミ鋳物のタイプは曲線があったり、葉っぱなどのデザインも入ったりと種類も様々です。目隠し的に使いたい場合であれば、縦であったり、横のタイプで板状のものがいいですね。すき間や、色、柄によって雰囲気がだいぶ違いますので自分のめざす外構をイメージしてみましょう。
このように、デザインの組み合わせや種類は多岐にわたります。あなたの家や好みに合わせた内容で、意味のあるフェンスを選択し施工することがポイントです。
② 長さを決める
フェンスは初めに触れたように、境界を区切る役目としてだったり、防犯上作る場合が多いのですが、どこからどこまでをするのかを決めることが大切になります。分譲地の場合だと特に、お隣さん側のフェンスをするのか、しないのかという点が悩まれる事として多いように感じます。基本的には土地の上の人が下手側のブロックとフェンスをすることが暗黙の了解として存在しています。ですが人のフェンスだからという考えから自分の敷地内にもきちっとフェンスをされる方もいます。どちらも間違っているわけではないので、必要性や一生その場で暮らしていくことになることがほとんどなので、近隣との友好的な関係性の為にもしっかりと決めていきましょう。
ポイントは「フェンスは案外高い、だからこそうまく使い分ける工夫が大切」ということです。見た目が気に入ったからといって何十メートルもの長さをやれば結構な金額が必要になります。予算に余裕があれば結構ですが、他が出来なくなるほどの予算振り分けでは元もこうもないと思います。目隠ししたい場所はココ、ここは境界が区切れていればいい、などと辺毎に吟味していくことも時に必要となります。
③ 高さを決める
高さは大切です。防犯上はブロックやフェンスの高さ含めて1.4mの高さがいいとされたりしますが、これも時と場合によります。通常はブロックがあれば、その高さに80㎝のフェンスをつけることが一般的です。ただし、注意したいのが目隠しで必要としているのかいないのかということです。想像してみてください。ブロックが四段積んであります。この時の地面からの高さは約70センチ位です。そこに80センチのフェンスを取り付けました。合計するとフェンスの高さは1.5mになりますね。この高さであれば視線も防げそうです。でも、それは地面からの高さです。住宅は基礎の上に立っているので室内のフローリングの高さ自体は50センチ位上になりますよね。すると室内から考えたらフェンスの高さは1.5mではなく1mぐらいの高さにしか感じられないのです。室内からは目隠しとして機能していないことが予想されます。フェンスはあとから高さが足りないから上に付け加えるといった単純な考えでは継ぎ足せないので、どこからの視線をどこの位置に立った時に防ぎたいのかということを現地でしっかりと確認しておきましょう。
④ 素材を決める
素材選びも大切です。基本的にはアルミのものになりますが、樹脂や鋳物のものがあります。質感やデザインでイメージがガラリと変わるので素材選びも大切になります。
最近の住宅事情で、外観に木彫のデザインを取り入れる物件がとても増えてきているので、木彫について少しご説明しようと思います。
木目調のフェンスにも実は種類があります。天然の板材を使ったフェンスも実際はあるのですが、天然の素材は腐食し朽ちていったり、シロアリの温床になってしまうことがあるので今回ご紹介するのは天然のものではありません。
天然の木材を使用したホームセンターなどでもよく見かける、クロスしたデザインで人気があるラチス(ラティス)フェンスも、アルミ製のものや、木の粉を混ぜた樹脂で表層をコーティングし、より天然の木の雰囲気を再現した商品もあります。塗り替えは不要ですし、主要部はアルミなので強度も確保され天然木のような温もりある色調と手触り感でナチュラルなお庭づくりのお手伝いをしてくれます。
天然木の板を縦や横に貼っていく目隠しタイプのものも、メンテナンスフリーの商品へと移り変わっています。サンガーデンエクステリアの展示場でも使っているポリスチレン樹脂の板材は木目調のデザインを施し、一見すると天然かと思ってしまうほどの出来栄えです。このタイプは部材一つから販売している商品なのでセミオーダーメイド製品で自分の好みにカスタマイズしていくことが可能となっています。例えば、目隠しで使うなら視線の高さはしっかり目隠ししたいけど、日当たりと風が抜けるように下の方までがっちり目隠しする必要がない。既製品のフェンスよりも、カラーの組み合わせや板幅の組み合わせでオリジナルのお気に入りフェンスを製作したい。デザインは統一したいんだけど、一部分だけを目隠しで高くしたくて、ほかの部分に関しては境界を区切る程度の高さがあればいい。などのそれぞれのご家庭のご希望に合わせて夢を形にしていくことのできるフェンスもあります。
和風モダンや純和風、洋風だけど和室の前には坪庭を作りたいという方々には是非人工竹のフェンスをおすすめします。もちろん天然の良さやアジもあるのですが、やはりメンテナンスフリーをご希望される方も多いのが実情です。ただし、ここで注意するべき点は値段で飛びつくと失敗しがちということです。人工竹はまだお値段の張る品も多いのですが、お値打ちなものには裏の意匠性がないもの、つまり表はリアルだけど裏は簡素なつくりのものも多く、よく商品を理解して購入する必要があります。あと、竹垣のポイントでもある縛り目の部分はシュロ縄というもので縛ってあるのですが、この部分は劣化しますので取替をしていく必要もあります。
次に鋳物(いもの)のついてご説明しましょう。鋳物とは、鉄を溶かして叩いて強度を出し作り上げていく昔ながらの製品なのですが、とても意匠性が高く人気がありますが少々お値段がします。もしかするとアイアンと言った方が聞き覚えのある方もみえるのかもしれませんね。刀鍛冶などをイメージして頂いたらお分かりになるのでしょうか。ハンマーで叩いたデザインが人気で、溶かして作るのでねじりや曲線のデザインに優れお値段以上の価値や見栄えがする商品なので、洋風のご自宅であれば尚のことおすすめしたい商品になります。
でも、お値段をみてびっくりされる方もいるかもしれません。そこでこれからご紹介するのは「アルミ鋳物」という製品です。これは、鍛造(たんぞう)製品の独特な質感をアルミ鋳物という素材で再現した商品たちの事です。アイアンと呼ばれる鋳物は鉄製なのでコーティングしてあっても錆びることも多いのですが、それをアジと捉えられるか嫌だと感じるかにもよります。それが嫌だなと感じる方は是非アルミ鋳物を選んでください。もともとアルミなのでその部分は軽減できます。お値段もお値打ちなので雰囲気よく洋風外構をまとめたい方に一押しなものになります。
ワンちゃんなどのためにフェンスを施工するなら是非ブロックを施工した上にフェンスを付けてくださいね。穴を掘ってフェンスの下から脱走することがあります。ブロックについては次の項目をご覧ください。
⑤ ブロックの種類
さてフェンスについていろいろご紹介してきましたが、実はもう一つフェンスには大切な相棒がいます。それがブロックです。ブロックにはCB(コンクリートブロック)と呼ばれるものと、化粧ブロックと呼ばれるものがあります。どちらも土を留めたり、境界を区切ったり塀として積み上げて壁にしたりと役割はたくさんあります。このブロックの上にフェンスを取り付けるのが一般的な施工方法になります。背が高いフェンスの場合は強度や柱の太さの関係上、独立基礎と呼ばれるコンクリートの基礎を立て込んでから施工する場合もありますがまたそれはお店で確認してみてください。
話を戻しますね。化粧ブロックと呼ばれるものは、色やデザインが選べるタイプになります。CBはただのコンクリートのつるっとしたものを指すのでお値打ちに仕上げたかったり、上塗りや、何かを貼っていくような場合のベースになるものだと思ってください。サンガーデンエクステリアの標準で化粧ブロックというとユニソンというメーカーのシャモティという商品だったり、ジャスティという商品が主となってきます。イメージに合うデザインや色を一緒に決めていきましょう。
ちなみに、ブロックは高さが20センチあるのでフェンスの高さがブロック上だとフェンス自体の高さは1.2mまでしか施工をおすすめしていませんが、一段積み上げるだけで20センチ高くなるので目隠しのしたい高さまで調整することも可能になるのでご相談ください。
⑥ まとめ
いかがでしたか。フェンスについてご理解は頂けましたでしょうか。フェンスがあることで境界がはっきりわかったり、防犯性が高まったり、ここでは書ききれませんでしたが、お子さんの転落防止、またはご高齢者の転落防止に、はたまたペットなどをお庭で自由に走らせてあげられるようにと用途は多岐にわたります。ツルものやゴーヤなどを絡ませるかたもいますし、ハンギングバスケットというお花を飾る場合にもフェンスに引っ掛けて使います。お布団などを干される方もみえますが、強度的にはおすすめはできないのでご注意くださいね。近年は、ご自宅でお休みを過ごされる方も多くプライベート空間を生み出すために背の高い目隠しフェンスの需要が高まっています。目隠しのフェンスについてはまた別のページにてご説明していますので、そちらも併せてご覧ください。