①カーポートとは
皆さんはカーポートと聞くと、どんなものを思い浮かべますか?車に乗る方や、車が好きな人にとっては、よく聞く言葉かもしれませんね。また、知らない方にとっては、何となく、車に関わるものかな?と想像されるかもしれません。聞いたことはあっても、では、具体的にどんなもの?と聞かれると、なかなかパッとは説明しにくい、という方もあるでしょう。
カーポートとは一般的に、屋根と柱、梁などで構成されており、壁がなく、簡易的に車を停めておくスペースのことを言います。例えば、雨風をしのいだり、太陽の熱から車を守ってくれる、などという場所ですね。カーは車、ポートとは港などの事を指しますので、車を停めておく港のようなものと言えます。大事な船を港で休ませるように、大切な車を休ませる場所、という意味では、カーポートはなくてはならないものであり、もっと求められるべき物なのかもしれません。
●カーポートの役割
カーポートには、車を守るという本来の役割はもちろん、使い方によっては、それ以上の嬉しい役割が沢山あります。車は別に・・・という方にとっても、あってよかった!と思える、あるととても便利な機能を持っているのです。ひとつあれば、何度でもおいしい!という、素晴らしい機能を是非、知ってください!
では、具体的に、カーポートの役割をいくつかご紹介していきましょう。
大まかに分けると、
・雨風をしのぎたい
・雪から守りたい
・車を汚れから守る
・結露を防ぐ
・雨よけ
・塗装の保護
・車内の暑さ軽減
など、このようなものでしょうか。
やはり、天候に関するものがほとんどかと思われます。何せ、車は外に保管するのが基本ですから、雨や風の影響などはかなり受けてしまいますよね。そこで、それらから車を守るのが、『カーポート』というわけです。
まず、多くの方は、雨の日に濡れずに乗り降りしたい!と言って、カーポートをお求めになります。帰宅して、駐車場から家の玄関にたどり着くまで、雨の日の道のりはとても憂鬱ですよね。ましてや、楽しい買い物をして来て、せっかく良い気分だったのに、大荷物を抱えて車から降り、雨の中を走ったことで、家に入った時にはぐったり・・・なんて経験、されたことのある方は多いのではないでしょうか?
また、小さなお子さんを抱えて乗り降り、時間がかかりますよね。ぐずって手間取ったり、ベビーカーの出し入れなども大変ですよね。目を離すとすぐに駆け回ってしまう子どもに、傘をさしてなんていられず、結局びしょぬれ。なんて、よくある話ではないでしょうか。
ご年配の方も、乗り降りの際に段差があって時間がかかることが多く、車いすの乗り降りも大変ですよね。そんな時もカーポートがあれば、濡れる心配もなく、ゆっくり安全に乗り降り出来ます。このように、雨に濡れないということは、ストレスを減らし、心にゆとりをもたらす、ということにもつながるのです。
また、汚れに関しても、守る機能がしっかりあります。
大事な車が、鳥の糞で汚されてしまった!といった経験、ありませんか?大気の汚れも、カーポートの屋根が代わりにかぶってくれるので、安心です。さらに、今はカーポートの横に『側面パネル』なるものが付けられるので、より安心。上だけでなく横からの降り込みも防いでくれるという訳です。汚れを防ぐ、という事は、洗車の頻度も少なくて良いですし、コーティング剤の塗り直しも少なくて済みます。今までメンテナンスにかかっていた時間を、自分たちの楽しみの為に、有意義に使えますよね!
車を停める、という機能以外にも、カーポートの下で洗濯物を干したり、子どもたちの遊ぶスペースにしたり、玄関までのアプローチまで延ばすことで、通路の屋根にも使えます。また、自転車やバイクなどを置いておく場所、ストックヤードとしての役割も担えます。車の台数プラス少し大きめのカーポートを選んでいただくと、役割の幅はどんどん広がっていくことでしょう。
●カーポートの種類
ひと口にカーポートと言っても、今は様々な種類が出ています。
良く使われる物で分類すると、
・パネルタイプ
・セッパンタイプ
の二種類でしょうか。
パネルタイプは、一般的に良くみられる、『ポリカーボネート』という屋根材が主流です。特徴は、透明なパネルになるので、光を通し、明るさが確保できる、ということが大きいでしょう。かつては、アクリル材などのパネルがありましたが、今はかなり丈夫に出来ていて、割れにくい、通称『ポリカ』が安心でしょう。同じようにポリカーボネート材に関しては、平板の他に、波型になっているパネルもありますよ。形は、すっきりシャープなフラット型屋根の他、優しい印象になる、アールの形状の屋根もあります。お好みに合わせて選べますよ。
セッパンとは、折れた板で、折板と書きます。これは、耐久性の高いガルバリウム鋼板を使用し、折り曲げて作られた、波型の屋根の事を言います。このタイプは、光を通さないので、陽に当たってほしくない場合は良いですね。また、見た目の重厚感から好まれる方も多いです。大きな特徴は、自由度が高い、ということ。4台以上といった車の台数にも対応しやすく、変形地にもぴったり合わせて作ることが可能です。皆さんの中には、敷地が台形になっていたり、三角だったりと、変わった形をしていて、通常のカーポートが置けない・・・という方も多くみえるかと思います。そんなお悩みを解決してくれるカーポートが、『セッパン』なのです。
屋根材の他に、柱の本数などで、種類が分けられます。
・一台用で二本柱
・二台用で四本柱
が主流です。基本的には、対応台数が増えると、さらに本数が増えていきます。
ただ、土地によっては、柱が邪魔になる、といったケースもあるでしょう。そんな方には、二台用でも片側二本のみで支えられるカーポートがお勧めです。両側にあるよりも、切り返しなどが楽々出来、乗り降りの邪魔にもなりません。
②車の台数
カーポートを選ぶ際には、何台車があるか、はとても重要です。敷地一杯に付けるのか、それとも車の台数分付けるのか、一台分あれば充分なのか・・・。予算にもよりますが、敷地の状況、車を停める以外の使い方によってもかわります。まずは、何台分停める必要があるのか、と言ったところから考えていきましょう。
●一台で良い場合
一台の場合は、基本的に柱二本タイプがお勧め。四本柱もありますが、土地を有効に使うには片側が良いですね。ただし、風が強く吹く場所などの場合は、サポート柱という、取り外しのできるオプションを付けると、安心でしょう。
●二台停めたい場合
二台用は、基本的に両側計四本で屋根を支えるタイプがお値打ちです。しっかり支えられている印象があるので、強度的な安心感も、見た目から得られます。しかし、やはりおススメは片側二本柱タイプ!倒れないか不安・・・という声も良く耳にしますが、柱も通常タイプよりしっかりしており、なおかつ大きな基礎を作って支えるので、問題無い強度になっていますよ!
また、一台用を縦に連結して、縦列駐車に対応するものや、二台の真ん中に柱を持っていき、両側から停めやすいようなタイプもあります。
●三台以上
三台一度に停めたい場合、強度を保つため、片側に三本ずつ、計六本の柱が基本になりなます。どうしても間に柱を置きたくない、という場合は、四本で対応できるものもあるので、お店に相談に行きましょう。
③仕様・デザイン
●仕様
仕様というと、台数、形などの他に、強度やパネルの種類が選べます。
基本的にメーカー品のカーポートであると、耐風圧、耐積雪量といった強度の表示があります。
風圧は基本的に風速38m/s相当など、ある程度の余程の強い台風でも来ない限り、問題無く使える強度設定になっています。より不安な方には、サポート柱で固定、パネル抜け防止材など、台風対策オプションが設定されているものを選んでいただくと良いでしょう。
積雪に関しては、新雪で約20㎝に対応しているものがほとんどです。風圧と同じように、耐積雪量をアップさせるオプションを選んでいただくと、雪が多い地域の方は安心ですね。また、積雪量は雪の状態によって比重が変わります。締雪や粗目雪の場合は、見た目の量に限らず、要注意です。雪おろしの棒などを使って、早めに雪を落としておけると良いですね。
屋根のパネル材も今は種類が豊富です。目隠しにもなる濃いめの色、明るさを取り入れられるクリアなど、色も幾つかから選べる事が多いです。今一番おススメなのが、熱量カットタイプ。明るさは保ちながら、熱量(赤外線)をカットしてくれるので、車内温度の低減ができ、暑さも感じにくいです。イメージとしては、ビニール傘と日傘の違い。真夏の暑い時期は、日傘をさすだけでかなり暑さが和らぎますよね。カーポートも同じです。大切な愛車を太陽の熱から守ってあげましょう!
さらに、カーポートは便利なオプションも沢山あります。夜暗いな、と感じる方には、専用の照明がおすすめ。人が来ると明るくなるような、センサー付きの物を付けると安心です。また、外部コンセントや、洗濯物を干すための竿掛けなども設置でき、カーポートで過ごす様々な時間を快適にしてくれます。
セッパンカーポートの場合、屋根の上にバルコニーを付けたり、太陽光パネルを設置できるような仕様もあります。将来的な用途も考え、カーポートの種類を決めるとよいでしょう。
●デザイン
今はデザインや色も豊富で、迷ってしまうほど。メーカーも沢山ありますが、どこも似たようなラインナップではあります。ここは譲れない!というポイントから、より好みに近い物を探すと良いですね。
色は基本のシルバー系、白、黒、茶などがある場合が多いです。さらに今は、おしゃれな木彫色が設定できたり、柱や梁などの一部の色だけを変えられたり、ポイントでタイルが貼れる、なんていうものもあります。
屋根の乗せ方、吊るし方が変わっていたり、梁が格好良くデザイン化されているものなどもあります。薄くてすっきりしているものや、重厚感のあるものなど、形や色のチョイスで、自分好みのカーポートがきっと見つかりますよ。
④サイズ (間口・奥行き・高さ)
カーポートのサイズは、基本的には車のサイズに合わせて選びたいところです。車をとめて、前後に少し余裕を持たせ、左右も扉の開け閉めなどを考慮したサイズを選びましょう。最小限でも、普通車一台用で、間口2700㎜、奥行き5000㎜、高さ2200㎜は確保したいですね。余裕を持って、間口3000㎜、奥行き5500㎜、高さ2500㎜くらいあると良いでしょうか。二台用、三台用の場合は、それを倍にしていくと目安になります。自分の家の車、または将来的にほしい車に合わせて、サイズを決め、カーポートを選びましょう。中には、せっかく気に入ったのに、サイズ設定が合わないということに後で気付かれる方もあります。まずは絶対に必要な車のサイズと、敷地のサイズ、屋根や柱に障害物が干渉しないか、などを確認してから選びましょう!
⑤床(フロア)
せっかく屋根ができたなら、車を停めるフロアも整備したいところです。どろどろの土のままに車を停めるのは、カーポートがあるのにもったいないですよね。最低限でも砕石敷きくらいにはしておきたいです。砕石も、何度も車を出し入れしているうちに沈んでいきますし、石がとんでしまいます。そう思うと出来るだけ舗装しておきたいですね。基本的にはコンクリートが一般的でしょう。また、広いスペースがあるのであれば、アスファルトにしてもいいかもしれません。固めることで、車をさらに安心して、きれいに使う事が出来るでしょう。
また、最近では、デザイン土間の駐車スペースも人気です。コンクリートは伸縮するため、広く打つと段々ひび割れなどが起こっていきます。自然現象なので、仕方のない部分ではありますが、それを少しでも防ぐために、目地という、隙間のあいたラインを先に作っておきましょう。それにより、コンクリートのスペースを区切り、小さくして割れを防いでいきます。そんな目地を真っ直ぐのラインではなく、曲線で作る、隙間に植物やレンガなどを入れると、どうでしょう!それだけでとても雰囲気が変わるとは思いませんか?機能性もあり、見た目もおしゃれな目地にこだわってみると、殺風景だった駐車場が見違えるはずです。さらに、石張りやタイルなどをポイントで入れ、アレンジを加えてみると、それこそ、世界にひとつだけの、素敵な駐車スペースが出来上がることでしょう。
⑥カーポート以外にもガレージ
カーポートは屋根と柱で構成されている簡易的な物ですが、車をもっとしっかり守りたい!という方には、ガレージもおススメ。壁とシャッター付きで、四方から車を守ることが出来ます。愛車のメンテナンスもしやすいですね!また、大きめサイズを選んでいただくと、駐車場周りの倉庫代わりにも使えて、一石二鳥。車用に、部屋がひとつ増えた感覚を味わえます。内装に凝れるタイプもありますので、愛車を眺めるスペースとして自分好みにカスタマイズしていくと、さらに楽しいカーライフを過ごすことが出来るでしょう。